ファクタリングは近年、経済産業省から推奨されている資金繰り改善の方法として、中小企業を中心に幅広く利用されるようになりました。
しかし、従来の請求書ファクタリングは受注した案件の完了後に送られてくる請求書を対象とした売掛債権の買取のみ。
受注した案件のために必要な物品を購入したり、人件費を払ったり…など業務を始める前のの資金調達について頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、案件を受注し、注文書や発注書を受け取った時点で資金調達ができる「注文書ファクタリング」についての解説、また、注文書ファクタリングが可能なおすすめのファクタリング会社も一部ご紹介します。
目次
注文書ファクタリングとは?
注文書ファクタリングとは、商品やサービスの受注後に受け取る注文書を買い取ってもらい資金調達するサービスです。
従来のファクタリングでは、ファクタリング業者と申込者で契約を結ぶ「2社間」と、さらに取引先を交えた「3社間」がありますが、注文書ファクタリングでは基本的に「2社間」の仕組みをとっています。
買取対象は「注文書」ですが、業種によっては注文書ではなく「発注書」と呼ばれることもあるため「発注書」も買取対象です。
下の表で注文書ファクタリングと請求書ファクタリング(2社間)の違いを表にまとめました。
大きな違いは、「買取対象」と「資金調達のタイミング」です。
案件に着手する前に資金調達をするか、着手後に資金調達をするか、現金化までの日数が両者と比較して平均3ヶ月以上変わります。
その代わり、注文書ファクタリングは請求書ファクタリングに比べて、手数料が少し高めに設定されています。
注文書ファクタリングのメリット
仕事を受注した時点で資金調達が可能な「注文書ファクタリング」。
メリットを4つ挙げていきます。
注文書ファクタリングのメリット
- 資金調達までが早いため諦めていた案件に着手できる
- 入金サイクルを短縮できる
- 売掛先にバレずにファクタリングの利用ができる
- 売掛金が回収できなくても買い戻しの義務がない
資金調達までが早いため諦めていた案件に着手できる
請求書ファクタリングと違い、注文書ファクタリングは案件の着手前に資金を手にすることができます。
そのため、「大きな案件が舞い込んできたけど、遂行するのに必要な資金が足りない…」「下請けを確保したいけど人件費が用意できない…」といった資金面での不安を、注文書ファクタリングを利用することで解消できます。
入金サイクルを短縮できる
注文書ファクタリングは入金サイクルを最大180日短縮することが可能です。
請求書ファクタリングは、請求書が発行されてから入金されるまでの期間がおよそ2〜3ヶ月です。そのため、もし月初に発行した請求書が翌月末の入金であれば、約60日ほどの短縮となります。
これに対し、注文書ファクタリングは仕事を受注し、実際に着手する前に現金化しますので、最大180日短縮されます。請求書ファクタリングと比べても大幅に短くなるのが特徴です。
売掛先にバレずにファクタリングの利用ができる
注文書ファクタリングは、2社間での請求書ファクタリングと同様、売掛先に知られずにファクタリングの利用ができます。
「取引先にファクタリングの利用を知られてしまったら信用低下につながりかねない」といった不安も、注文書ファクタリングであれば心配なく資金調達ができます。
売掛金が回収できなくても買い戻しの義務がない
ファクタリングを利用する際、もし償還請求権(ノンリコース)のあるファクタリングを利用していた場合、売掛先が倒産してしまったら申込者に売掛債権が差し戻されてしまいます。
そうなると、申込者自身が未払い分のリスクを負うこととなります。
ファクタリングを行っている優良な業者は、基本的に償還請求権のない契約となります。
注文書ファクタリングにおいても、請求書ファクタリング同様、ファクタリング業者が未回収のリスクも考慮した上で審査をしているため、安心して利用ができるといえるでしょう。
注文書ファクタリングのデメリット
請求書ファクタリングよりも入金サイクルがグッと短くなり、資金繰りが大きく改善できる期待がある注文書ファクタリングですが、デメリットがいくつかあります。
注文書ファクタリングのデメリット
- 審査が厳しめ
- 手数料が高め
- 取り扱っている業者がまだ少ない
審査が厳しめ
入金サイクルが大幅に短縮される注文書ファクタリングは、従来の請求書ファクタリングと比べて審査は厳しめです。
なぜなら仕事の受注から入金完了までの期間が長いため、相手先企業が途中で発注を取りやめたりしないか、依頼内容が途中で変更されないか、請求書ファクタリングと比べリスクが高いからです。
そのため、入金サイクルが短めである請求書ファクタリングに比べ、やや審査は厳しめの傾向にあります。
手数料が高め
注文書ファクタリングは請求書ファクタリングと比べて手数料が高めです。
理由としては、審査が厳しいことと同様、売掛金の回収時期が大幅に遅くなること、債権の回収リスクが高いことが挙げられます。
売掛金の回収時期が遅くなるということは、その間に売掛先が倒産してしまう可能性もありますし、利用者自身の資金繰りが悪くなってしまうこともあるかもしれません。
こうした債権回収不能のリスクに備えるためには、手数料を高めに設定しておく必要があるためです。
両者を比べてどのくらい手数料が高いかですが、業者によって差はありますが、冒頭の比較表でも出したように、+2〜5%程度となります。
注文書ファクタリングを取り扱っている業者がまだ少ない
請求書ファクタリングに比べて、注文書ファクタリングはまだ歴史が浅く、そもそも取り扱っている業者が少なめです。
ファクタリングを利用する際は相見積もりで、手数料や現金化の金額を比較することもありますが、請求書ファクタリングに比べて比較しにくいのが難点です。
次の項目で、実際に注文書ファクタリングを取り扱っている優良業者を紹介します。
注文書ファクタリングのおすすめ優良業者
注文書ファクタリングを取り扱っているおすすめの業者を3社ピックアップしました。
歴史の浅い注文書ファクタリングですが、すでに多くの中小企業と契約を結んでいる業者をご紹介します。
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ビートレーディング
ビートレーディングの特徴
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ビートレーディングは2012年に設立した老舗のファクタリング業者です。
これまでに取扱件数3.7万社、累計取扱だか900億円と業界でもトップクラス。
東京、仙台、大阪、福岡に拠点があるため、地方在住の方でも面談が必要であればビートレーディング側から訪社してもらえますし、オンラインでの対応も可能です。
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建設業に特化している為、建設業業界に精通しており、「税金滞納」や「赤字決算」の状態でも柔軟な対応をしてくれます。
非常に優秀なファクタリング会社ですが、建設業に完全特化しいる分、それ以外のファクタリングには恐らく対応していないのでその点だけ注意しましょう。
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BEST PAY(ベストペイ)の特徴
- 最短翌日入金
- 手数料5%~
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ベストペイは、請求書ファクタリングで有名な「ベストファクター」を運営している「株式会社アレシア」による注文書ファクタリング専用のサービスです。
最短翌日入金、発注者の承諾不要、償還請求権のない契約のため補償のリスクがありません。
契約時には面談が必要になるので、ベストペイへ出向くか訪問してもらう必要があります。
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注文書ファクタリングについてのまとめ
注文書ファクタリングは従来のファクタリングよりも支払いサイトが短く、つなぎ資金として有効に活用することができます。
注文書ファクタリングの仕組みとしては2社間が基本のため、取引先に知られる心配もありません。また、償還請求権がない契約ですので、万が一、売掛金が回収できない場合でも申込者自身が金銭的リスクを追うことはありません。
ただし、注文書ファクタリングは請求書ファクタリングに比べて手数料が高めに設定されていることも。資金調達は便利になりますが、支払いサイトが長いとその間に資金繰りが悪化する恐れもあります。
注文書ファクタリングを検討中の方は、ぜひ計画的な利用をおすすめします。